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とらドラ!(最終話)

▼リアルな感情のぶつかり合い
この作品の魅力は、大河[ CV:釘宮理恵 ]竜児[ CV:間島淳司 ]の、そして実乃梨[ CV:堀江由衣 ]亜美[ CV:喜多村英梨 ]北村[ CV:野島裕史 ] の感情が、リアルでストレートに伝わってくるところ。それは彼らと同年代かどうかということは関係なく、高校生という微妙な年齢を生きる彼らの精一杯の想い、悩み、期待、不安と言った一つ一つの感情に共感したり、ダメだししてみたり。まやかしや必要以上の誇張はなく、現実離れすることもなく、本当に自然。

▼俺は亜美ちゃんに・・・
そんな登場人物の中で俺が一番共感して見ていたのは亜美ちゃんの立場だ。最終話で初めて亜美ちゃんは自分の心情を竜児に吐露していた。自分に自信があるように見えて、一足早く大人の世界に足を踏み入れて名実共に「大人」と見られていた亜美ちゃんにとって、そんな大人ぶっている自分の姿が一番嫌いだった。自分の思っている本当の自分の姿と、他人が作り上げていく自分自身の姿とのギャップに悩み苦しんでいた亜美ちゃん。その悩みを少しでも軽くしてくれた竜児の一言は亜美ちゃんにとっても大きな意味のある一言だったに違いない。

▼若い恋愛
そしてストーリーの本流は竜児と大河、そして実乃梨の三角関係です。結局、三人とも自分の本当の気持ちに気づきながら、「親友のため」などと適当な理由を付けて逃げていた。でも自分の想いには嘘がつけない。そんな若さ全開の悩みと向き合いながら、最後は懸命に前に進もうとするそれぞれの姿が印象的です。恋愛に限らず、10代の頃のこだわりとかって今思うと「何であんな事に?」と思うような事もある。そんなことを思い起こさせてくれるような、竜児と大河と実乃梨の恋愛だった。

▼神様が隠した物は何だったか
最終話、竜児は大河を追うことはなかったがそれは逃げたわけではない。お互いのことを信じて待つ事が出来るようになった。実乃梨も北村も、そんな竜児の想いを理解することが出来た。みんな一皮むけて、大人になった。本当の意味で。そんな成長の物語を直球勝負で描いてくれたこの作品はアニメーションとしての王道の表現、お約束のツンデレキャラなどという要素を持ちつつ、非常にクオリティとリアリティのあるドラマを見せてくれた。俺は亜美ちゃんだったけど、人によっては実乃梨や大河に感情移入して見るのかも知れない。これだけのレベルの作品が再びテレビ東京の深夜アニメから出てきたことは、素直に嬉しい。さて、神様が隠している物は何だったんでしょうか?ここは見ている側の想像でいろいろな言葉を埋めることが出来るだろう。友達?恋人?仲間?俺は「出会い」を挙げたい。

とらドラ!(@テレビ東京:デジタル) / アニメーション制作:J.C.STAFF

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