鉄腕バーディ DECODE:02(最終話)
▼期待せずにはいられない1stのデキ
1stシーズンで既にその面白さを十分に理解していたので、今作も何の不安もなく見始めたし、実際にその期待は間違っていなかった。前作ではつとむ[ CV:入野自由 ]と小夜香[ CV:坂本真綾 ]の関係が中心で、そこに連邦捜査官というバーディー[ CV:千葉紗子 ]の視点と「リュンカ」を絡めたストーリーだったのに対して、今作は完全にバーディーにフォーカスしたストーリー。過去と現在のバーディーという二つの視点から、バーディーの「生きる意味」を問いかける比較的重いストーリーだったと言えるだろう。
▼バーディーとナタル
今作の最大の見せ場はバーディーとナタル[ CV:松風雅也 ]の二人だ。この二人の過去から続く友情と恋心、そしてイクシオラという悲しい宿命。決して単純な関係ではないからこそ盛り上がる人間ドラマがある一方で、明らかに不審な行動をとっているナタル。最後の方までバーディーはその事実に気づくことは無かったけど、見ている側にはそれがもっと早くから明らかにされているだけに、バーディーの言葉や行動が切なくなる。そんなもどかしい状況でもバーディーが自分の想いに気付き、そしてそこから逃げずに戦うことを選んだ。ナタルが「生かされているイクシオラ」という考えに最後まで固執していたのに対して、バーディーには「与えられた目的と状況の中で精いっぱい楽しく生きる」というポジティブな思考があったのがこの二人を分けた決定的な違いだったのだろうか。
▼超絶動画
物議をかもした第7話の作画に続き、最終話のバトルシーンは「いったい何枚動画描いたんだ?」と思わせるくらいの超絶動画。はっきり言ってこの動きをテレビアニメでやってしまうというのは信じられないくらいの超ハイレベル。こうなると第7話の動画もやはり「作画崩壊」とは呼べないんじゃないかと。もしかしたら、テレビアニメとかの枠は関係なく、これだけのレベルの動画を描けるアニメーターはそれこそ日本の中でも数少ないんじゃないでしょうか。アプコンでぼやけ気味の画像も許してしまうか。
▼単なる戦闘アニメじゃない
バーディーによって自分の生きる意味を最後の最後に見出したナタル。ナタルは時空を超えてセントラルタワーテロに巻き込まれたバーディーを救いに行きます。二重にも三重にも張られた伏線は最後の最後にその全てが解き明かされ、より一層の切なさが後に残る。バーディーにとってもナタルにとっても、自分たちの歩んできた道が本当に正しかったのかは分からない。それでもバーディーはナタルが戻ってきて、そして罪を償ってくれることを願っているに違いない。ストーリーと登場人物の心情が複雑に絡み合い、そしてそれが新たな事件を生んでいく。宇宙人がたくさん出てくる作品ですが、まぎれもなく人間ドラマ。1stを見てなくても十分楽しめます。
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