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地獄少女 三鼎(最終話)

▼説明不要の人気シリーズ
テレビアニメもなんと第3期、全部で78話を数えることに。これだけシリーズ化されていると言うことがこの作品の全てを物語っていると言っても過言ではない。各話完結の構成を取りつつも、各シリーズでテーマとなる核のストーリーが存在。その核を中心に地獄流しの様子が描かれる。

▼単純が故に深いストーリー
第3期のストーリーの中心はゆずき[ CV:佐藤聡美 ]だ。今までの地獄少女の中で何度も描かれてきた理不尽な地獄流し。その不条理に立ち向かおうとするゆずきという構図から、後半は地獄少女となることを運命づけられた少女の悲哀がテーマに。誰が流されるのか?誰が流すのか?というハラハラする展開に加えて、ゆずきの存在意義やあい[ CV:能登麻美子 ]の覚悟など、二重にも三重にも張り巡らされたストーリーの網に完全に引っかかってしまった。恨み辛み、そして流し流されという単純な行為を中心にしているだけに、理解度も深くのめり込みの度合いも深い。

▼地獄少女はさわやか三組だ
地獄少女のストーリーって「さわやか三組」だと思うんだよね。たぶんおっさんにしか通じないと思うので一応補足しておくと、昔NHK教育で放送されていた小学校低学年向けの道徳番組で、「さわやか三組」という番組があった。「さんさんさん さわやかさんくみ~♪」ってヤツです。この番組は「人気キャラのイラストが入った消しゴムを自慢していたらその消しゴムが無くなって・・・」みたいな、凄く分かりやすい展開なんだけど、この番組にはオチが無くて、誰が正しくて誰が悪いわけでもなく、非常に後味悪く終わる。ここからみんなでいろいろ考えて道徳とは何か?を議論するのが目的なんだろう。地獄少女の後味の悪さは、このさわやか三組の後味の悪さと凄く似ていると思う。流される人が悪人というわけではない。流した人が正義でもない。さすがに授業中に見せるのは無理だろうけど・・。

▼しっかりとした土台
誰かが誰かを恨んで地獄に流す。何度も書くけど内容はこれだけの本当に単純なストーリー。それなのにこれだけ夢中で見てしまう。単純で分かりやすい作品、俺はこういう作品は実はかなり好きな部類。難しいストーリーの作品も確かに面白いんだけど、単純な作品には単純が故にテーマや展開などのシリーズ構成に手が抜けない難しさもある。映像については特に地獄の風景など背景が非常にキレイ。CGとエフェクトを巧みに使って、地獄という仮想の世界、ある種幻想的な世界を上手く表現している。こういった構成や映像というアニメーションの基本をしっかりと作っているからこそ、これだけ楽しめる作品になっているんだろう。

地獄少女 三鼎(@TOKYO MX:デジタル) / アニメーション制作:スタジオディーン

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