VIPER'S CREED-ヴァイパーズ・クリード-（最終話）
▼見た目洋風、中身和風
登場人物の雰囲気や世界観からてっきり「洋風」の作品とばっかり思っていたんだけど、これが意外と日本的なストーリー展開で意表を突かれた。そもそも日本人の作った原作をアニメ化しているんだから当然なんだけど、ノーマ[ CV:皆川純子 ]にルドラ[ CV:川田紳司 ]、ガリブ[ CV:星野充昭 ]とこのキャラクターラインナップはいかにもB級洋画の雰囲気。
▼面白みのあるキャラクター
前半は各登場人物のキャラクター、人間性を掘り下げるストーリー。後半はウラ[ CV:櫻井孝宏 ]という共通の敵に対峙する過程でユニット・ヴァイパーが徐々に信頼関係でつながっていく。とても分かりやすい展開だったし、それぞれのキャラクターのストーリーも結構面白かった。このあとはどういう展開が待ってるんだろう？という期待感を十分に抱かせてくれたし、それだけの素養を持ったキャラクターの設定だった。主人公っぽいと思っていたハルキ[ CV:福山潤 ]が殺される展開（実は生きていたオチだけど）には驚かされたし、ほとんどその正体が明かされることのなかったサイキ[ CV:黒田崇矢 ]も「何とかしてくれそう」な頼もしい人物だった。
▼最後の最後で冷める展開
ストーリーも最後の最後まで盛り上がった。果たしてチーム・ヴァイパーは助かるのか？次々と命を落としていくメンバーの様子を見せられると、かなり絶望的な状態。それでもここで一発逆転、大どんでん返しでウラとテレジア[ CV:甲斐田ゆき ]を窮地に追い込んでくれるはず。そんな期待感を抱かせる展開だったんだけど、肝心の一発逆転部分があまりにも普通で拍子抜けしてしまった。チーム・ヴァイパーを罠にハメた映像のオリジナルをテレビ局に持ち込んで、という展開だったんだけど、そもそも大元の映像をあっさり信じ込んでしまい、そしてあっさりとそれをひっくり返す大衆とマスコミ。いくらなんでもちょっと頭悪すぎじゃない？ストーリーの核となる部分にはもう少し高度で人間的な「仕込み」が欲しい。最後の最後で急にB級洋画に戻ってしまった。
▼とにかく終わらせ方が残念
キャラクターの部分でも触れたけど、死んだと思っていたハルキがあっさりと復活してしまうこの展開はいただけない。ユニット・ヴァイパーのメンバーにしても、エンディング前の描写を見る限り少なくともガリブについては生きているということを言いたいようだ。全員生きていた、というあまりに悲惨なオチよりはマシだとは思うが、ハルキに関しては生死の境をさまよってみたいな演出の方が俺は好感が持てる。「死んだと見せかけて実は生きてる」というパターンは、よっぽど質の高いシナリオが伴わない限り、逆にシナリオの質を下げることになると思う。途中までなかなかおもしろかっただけに、この終わり方は残念ですね。ストーリーのテンポは悪くないので、そういうことを深く考えずに見られるなら良いのかも。
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