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WHITE ALBUM(最終話)

※2ndシーズンの最終話(26話)はこちらです。

0904011 ▼WHITE ALBUMアニメ化の意義
由綺[ CV:平野綾 ]理奈[ CV:水樹奈々 ]のイラストに思わず手に取ったスターチャイルドのフリーペーパー、アニカンVol.70。そこに下川直哉氏のインタビューが掲載されていた。そこにはWHITE ALBUMとSOUND OF DESTINYをTVアニメの中で使うことについて、「アニメ化が決まった時点から誰もが当然と思っていた」というコメントに感激。そしてWHITE ALBUMという作品に対する考え方やアニメ化の意義など、随所に深くうなずいてしまう内容が多数。そして改めて俺がWHITE ALBUMという作品、とりわけ原作ゲームに対して特別な想いがあることを思い知らされたし、下川氏の考えと俺の考えが非常に近かったことに喜びを感じた。それだけ原作に思い入れがある上での感想なので、おそらくアニメで初めてこの作品に触れた人とは大きく異なる感想になっているだろう。

▼WHITE ALBUM=由綺
俺の中でのWHITE ALBUMは由綺と冬弥[ CV:前野智昭 ]の恋愛ストーリーであり、由綺と冬弥がすれ違いながらも「お互いの気持ちはいつもそばにいる」ことを確かめ合っていく、そういう作品だ。だから理奈だってもちろん、美咲[ CV:高本めぐみ ]マナ[ CV:戸松遙 ]、そして弥生[ CV:朴ロ美 ]はストーリーの中心であることは無かった。そんな俺が見ても、アニメの展開は実にうまいと思った。原作以上に優柔不断でヘタれな主人公「冬弥」の存在によって、それぞれのキャラクターは脇役を超えて存在感を示していた。ゲームでは攻略対象としての登場で他のキャラとの接点が薄かったマナですら、アニメでは比較的重要な位置づけ。影の薄い友人だった[ CV:阪口大助 ]は設定変更によりストーリーのスパイスになっている。自分の想いに一途で純粋なその姿は冬弥とは対照的だ。

▼最終話で初めて描かれた由綺の想い
13話で由綺が冬弥の袖を掴んで「・・・好き」とつぶやいたあの瞬間。今まであまり大きく描かれることが無かった由綺の想いはあの瞬間に凝縮されていた。鳥肌が立った。冬弥が由綺から逃げて、自分から逃げて、都合のいい理由をつけて由綺から遠ざかっていた間も、由綺は冬弥に会いたい、話したい気持ちをエネルギーに変えて、そしてステージに立っていた。ここまで人間としての器の違いを見せつけれた冬弥は、果たして由綺という女神にふさわしい存在なんだろうか?少なくとも1stシーズンの冬弥はとても由綺の隣にいることがふさわしい人間ではなかったし、由綺を守ることが到底できるとは思えない存在だった。冬弥についてはとにかく落とすところまで落とした、という印象だ。

▼アニメよりもドラマ
途中の感想でも触れたとおり、この作品はアニメというよりドラマの表現に近い。キャラクターの投身やしぐさの描き方がそれを顕著にあらわしていたと思う。だから由綺の初々しさや理奈の自身に満ちた様子、ほのかの行き場のない想いがセリフとしてよりリアルに伝わってくる。キーポイントに挿入されるハーモニクス処理と心の声。ここが演出面でアニメを感じさせる数少ない部分だろう。アニメとドラマのよさを上手く利用して、空間と間をうまく作って、動きが無いシーンでも空気や心情の揺れを感じることができる巧みな表現だった。

▼2ndシーズンが待ち遠しい
WHITE ALBUMは前述の下川氏の言葉を借りるならば、この時代にアニメ化されるべくしてアニメ化されたと、まさにそう思う。決して明るいことばかりではない現代において、この作品も同様にどこか暗い雰囲気を持っていて、もの悲しさを感じさせる。一方でその中でも光り輝く由綺と理奈の存在。あまりに眩しすぎてどうして良いか分からない冬弥。そしてそのまぶしさに惹かれ始めた英二[ CV:速水奨 ]。俺の中では既に原作を昇華してさらにその上を目指そうとしているWHITE ALBUMの制作のアプローチは決して間違っていないし、当時原作をプレイしてWHITE ALBUMに引き込まれた多くのプレイヤーの期待に応えるデキだ。2クール目は2009年10月放送開始予定です。期待して待ちます。

WHITE ALBUM(@TVK:アナログ) / アニメーション制作:セブン・アークス

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