東のエデン:最終話(第11話)
▼分かったこと
この作品のきっかけである「迂闊な月曜日」。この事件の真相はこのテレビシリーズで白日の物となった。朗[ CV:木村良平 ]が何故記憶を消したのか、そして大量に失踪したニート。シネコンに残されたメッセージや携帯電話。とにかく「迂闊な月曜日」に関しては全ての謎が明らかになり、ようやく少しだけすっきりした。
▼分からなかったこと
一方で未だに分からないことは山積み。そもそも何故1話で朗は全裸でホワイトハウスの前にいたのか?ニートはドバイに送ったはずで、あの状況で朗がアメリカにいる理由が全く分からない。そして何よりセレソン、サポーター、そしてMr.アウトサイド。セレソンに至っては結局半分もストーリーには登場せず。サポーターが誰なのかも分からない。唯一、Mr.アウトサイドだけはあのタクシー運転手が怪しい気はするが、それも敢えて思わせぶりにしているだけかも知れない。「1話に全ての謎が」のふれこみだったはずだけど、肝心の1話にあった謎が全く解明されないこのもどかしさ。
▼「集団」と「個」
この作品のテーマ、少なくともテレビシリーズのテーマは「集団」と「個」だったと思う。これは神山監督が甲殻機動隊SAC 2ndでも描いていたテーマ。絶対的な力を持つ「個」と迎合することしかできない「集団」。「集団」の力を有効に使うことができないまま自分の立場だけを守ろうとする「個」。自らを犠牲にして「集団」の力を最大限に発揮することができる「個」。SFと謎解きの要素を過分に持っているこの作品ではあるけど、やはり神山監督のオリジナル作品ということもあり、真のテーマは非常に社会性の強い物だった。果たして今の日本に必要とされているのはどんな「集団」であり「個」なのか。偶然にも選挙が近づいている今、難しい選択を求められた気がする。
▼劇場版は2本構成
今まで劇場版は1本だと思っていたけど、「劇場版I The King of Eden」と「劇場版II Paradise Lost」の2本、そして11月28日からのロードショーが公表された。朗が全裸でホワイトハウスの前に経つまでの経緯、そしてテレビシリーズで登場しなかったセレソンとサポーター、Mr.アウトサイドの物語。このあたりが劇場版で描かれるのではないだろうか。いや、描いてくれないと困るぞ。
▼全てが一級品
映像面にも触れておく。言わずもがな非常に高いクオリティだったことは間違えない。多くの人が登場するシーンやメカ、背景に上手くCGを使いながら人物の絵と上手く融合させ、そして原画と動画にパワーを割く。最近の映像クオリティの高い作品の常套手段。ストーリーも1話が1日という時間設定もあり、テンポが良く、その上で唐突さが無い。あっというまに11日が過ぎていき、そこで起こった事件と一方で朗と咲[ CV:早見沙織 ]や東のエデンのメンバーの人間的な面白さ。アニメーションならではの、そしてアニメーションとしても非常にクオリティの高い物を見せてもらった。そうそう、板津[ CV:檜山修之 ]生きてて良かった。
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