初恋限定。:最終話(第12話)
▼可愛い女の子たくさん
この作品を見て最初に受ける印象はやっぱりこれでしょう。中学生と高校生、世代は違えど主要な登場人物は可愛い子てんこ盛り。こんな女の子たちの初恋をテーマに描くというわけですから、こりゃもうターゲットとなる層はそれほど広くない。そこに受け入れられるためのビジュアル面での要素はしっかりと揃っていた。それでもキャラクターの言動とか髪型、髪の毛の色、容姿などは極力リアリティを持たせていたと思う。この絶妙なバランスがこの作品への没入度を高めてくれる1つの成功要因だっただろう。
▼悩みと葛藤
アニメにする位だからみんなハッピーエンドでしょ?と思いきや、この作品で描く初恋は実に物語として見所の多い物だった。大人の恋愛ドラマになると「駆け引き」とか「泥沼の関係」とか陰湿な恋愛にストーリーが向いてしまうことが多いけど、この作品は中学生と高校生、それもかなり初々しさと素直な感情を持ち合わせた人物による恋愛が中心。精神論でもなければご都合主義でもなく、初恋をとおして自分を見つめ直し、悩み葛藤し、それでも前に進んでいく清々しい気分にさせてくれるストーリーだった。
▼クロスするストーリーと登場人物
登場人物たちのそんな生き様に加え、この作品を面白くしてくれた大きな要素の1つが中学生と高校生、2つのグループに分かれて展開したストーリー。そしてそこに登場する人たちの関わり。恋愛がテーマだと2人か3人を対象に深く掘り下げるストーリーが中心になることが多いけれど、この作品は敢えて多くの登場人物を複雑に関係させることで、次から次へと出てくる予想外な展開にワクワクさせられた。え?そこでこの二人がつながるの?という意外性もあるし、他人にはどうしようもない「好き」という気持ちが交錯してしまうもどかしさも感じられた。
▼視聴者を楽しませる工夫
1話の感想でも書いたけど、BS11のアニメーション制作に関する姿勢には共感するところも多い。放送前特番もそうだし、なにより放送後のミニコーナー。パッケージソフト向けの特典にしても良いような内容だと思うけど、それを敢えて放送波に載せている。いろいろな角度から作品としての初恋限定。を楽しんでもらいたいという制作サイドからのメッセージだと思う。作品本編もかなり楽しめたし、放送後にも楽しめた。これはなかなか良くできた作品でした。
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