夏のあらし!:最終話(第13話)
▼最終話
1話が「プレイバック PartII」だったので、「PartI」の最終話は1話の前の話かな?と予想していたんだけど、カヤ[ CV:名塚香織 ]がケーキ事件を覚えていると言うことは、どうやらそれよりも後の話ということのようだ。ここまで12話分我慢してきた新房監督のネタ魂が全開。突っ込みどころはとにかくたくさんありますが、まずあらし[ CV:白石涼子 ]や一[ CV:三瓶由布子 ]のあの服装はいったい(笑)。あとはOPとキャラが同じ動きをしてみたり、お馴染みの張り紙ネタがあってみたり。最後まで楽しんでいってよ、という心意気を見せられました。
▼新房監督+シャフト
この組み合わせ、俺にとってはグッとハマる作品と、ちりばめられたネタを追わないといけないという強迫観念にかられて上手く楽しめない作品のどっちかに別れる事が多い。後者は決してつまらないはずじゃないんだけど、どうしてもその観念から脱せずにストーリーに入り込めない。で、この「夏のあらし!」については間違えなく前者だった。なによりお馴染みのちりばめられたネタについてはかなり抑え気味にしてあったし、しっかりとした原作のストーリーがあるから、物語の方向性がブレなかった。「まりほり」で食傷気味だった俺としては、これはクリーンヒットだ。(※初稿時、「前者」が誤って「後者」となっていましたので修正しました。失礼しました。)
▼戦争をテーマに
登場人物は基本的にみんな明るいし、冒頭のなつかし漫画・アニメネタ、紙芝居などネタを楽しみたい人向けの余地は残しつつ、この作品のテーマは戦争とタイムリープと幽霊。テーマとしての新しさは無いはずなんだけど、暗くて辛い人生を過ごしたはずのあらしやカヤ、そして最終的にはやよゐ[ CV:野中藍 ]と加奈子[ CV:堀江由衣 ]までもが明るく前向きに進もうとする。あり得ない設定だけどひたむきに生きる(正確には生きてない)姿は、見ている人も前向きな気にさせてくれる。
▼脇を固めるモノの力
多くのネタについては好きな人が触れていただくとして、70年代付近のアイドル系懐メロが多くのシーンでこの作品を彩った。舞台は現代、つまり21世紀。あらしやカヤは昭和初期の世代。かかる音楽は70年代。この時代のミスマッチが何故かしっくり収まってしまう「方舟」こそが、この作品の輪郭と土台をがっしりと支えていた。単体では決して混ざらないモノを1つの作品として作り上げてしまうこのパワー。これは一見の価値あり。
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