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東京マグニチュード8.0:最終話(第11話)

▼最終話
後半の陰鬱な展開が少しでも晴れるように、未来[ CV:花村怜美 ]が立ち直ってくれることを願っていた。家族との再会も果たし、震災以来、久々に真理[ CV:甲斐田裕子 ]とも話をした。「自分の周りはみんな幸せに見えた」、真理の言葉は未来には重かったに違いない。悠貴[ CV:小林由美子 ]のことを忘れたり記憶の彼方に追いやったりするわけではなく、悠貴と共に生きていくことを選択した。たぶん未来の選択はそういう意味だったと思う。

▼甘く見てました
滝川クリステルが出てくる時点で、結局はフジテレビのお手盛り感動ドラマか?とかなりたかをくくってました。どうせ最後はみんな再会でハッピーエンドでしょ?と。最初の地震でレインボーブリッジがかなりの損傷を受けたのにフジテレビが無傷だったあたりでさらに拍車がかかった。実は既に悠貴がコンビニの棚の下敷きになってしまったところから、ストーリーは動き始めていたんですね。

▼災害のリアリティ
この作品のポイントの1つはやはり災害だ。東京で大地震が起こったらどうなるか?昔から東京に生活している俺には、小学校の頃から「東海地震」というキーワードで散々言われていたにもかかわらず、実際にはここ20年以上東京では大きな地震が起こっていない。そのせいもあって「こんな事が起こるんだろうな」というイメージはあっても実感はない。この作品によってある1つのイメージは明確に持つことになったと思う。災害が起こるということは、身近な人が突然に死を迎えることと隣り合わせなんだ、と。

▼アニメと現実の上手い組み合わせ
8話以降、未来の側にはいつも悠貴がいた。もちろん悠貴は既にこの世にはいない。未来がショックのあまり現実を直視できていない状態を表現するには、とっても分かりやすくて痛ましい表現だったし、実写映画ではなかなか使いにくいアニメならではの演出を巧みに使っていたと思う。エロゲ原作アニメも1話で判断しないと「君のぞ」で心を改めたわけですが、ベクトルが比較的アニメをあまり見ない人に向いている作品でもそれは同じなんだと、勉強させられました。

東京マグニチュード8.0(@フジテレビ:デジタル) / アニメーション制作:BONSE/キネマシトラス

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