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WHITE ALBUM:最終話(第26話)

▼最終話①
この曲は「POWDER SNOW」だ。-

由綺[ CV:平野綾 ]の奏でるピアノのイントロが、あの懐かしい曲と分かった瞬間。鳥肌が立つとはまさにこの時のこと。ゾクゾクが止まらない。このPWDER SNOWは俺がこよなく愛するPC版ゲームのEDで、まだPCゲームにOP曲やED曲を用意することが珍しかった当時から、かなり評価の高かった名曲中の名曲。それを由綺が、そして理奈[ CV:水樹奈々 ]が唄う。時代を超えてWHITE ALBUMの世界観が目の前に広がってきた。PC版に思い入れのない人、未プレイの人にはおそらくまったく味わえなかったであろうこの瞬間。下川直哉氏のちょっとしたプレゼント。

▼最終話②
俺の目には収拾が付かなくなっているように見えていたこの作品。いったいどんな結末を用意しているのか。期待もあったが正直に言えば不安の方が大きかった。WHITE ALBUMに駄作のレッテルを貼られる事になるんじゃないかという不安。寝取られ要素を排除し、由綺と冬弥[ CV:前野智昭 ]の物語となったことで、PC版から新たに加わった過去の記憶と登場人物。最後、ビーナス以降は由綺の姿を電話以外で一切見ることはなく。最後、冬弥が駆け寄った相手は由綺であることは間違えないんだけど、由綺がどんな表情をしていたのか知る術はなく。そこには一途に冬弥を想い続け、そして二人の幸せな時間を初めて享受している由綺の笑顔があったと信じたい。

▼空前絶後の浮気男、冬弥
由綺が英二[ CV:速水奨 ]に寝取られる(正確にはキスまでだけど)という要素がなくなった代わりに、弥生[ CV:朴ロ美 ]美咲[ CV:高本めぐみ ]はるか[ CV:升望 ]と次々に手を出す冬弥。最終話を終えて、理奈の言葉が全てだったんだろう。冬弥は「女神」という虚像にとりつかれ、そして弥生も美咲もはるかも、もちろん理奈も。由綺がいても冬弥が好きだった。ちょっと都合良く解釈しすぎか?良くも悪くも、由綺は比較的古い女性像を持った「待つ女、耐える女」として描かれていたんだと思う。

▼11年の時を経て
1998年。WHITE ALBUMのPC版が発売されたとき、ゲームの中の冬弥や由綺は俺より少しだけ年上だった。そして11年。衝撃を受けたあのゲームのストーリーに、さらにドラマチックな要素を追加してアニメ化された。どこに向かっているのかよく分からない冬弥の気持ちは、まさにこの作品を見ている人と同じ。そしてこの不安定な時代の情勢を映そうとしたんではないかと思う。映像的には80年代という時代の雰囲気を上手く表現していたし、なにより登場人物の表情や頭身の描き方がリアル。文字が縦書きなのもNHKの朝ドラとかを意識しているんだろう。映像表現だけではなく、空間と間の使い方を駆使した演出も悪くなかった。ただ残念なのは、おそらくこの作品は世間的には評価が高くならないこと。PS3版のゲームの内容も気になる。

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【↑】ゲーム発売前に配られていたチラシが保管してあった。Windows95専用が時代を感じる。

WHITE ALBUM(@TVK:アナログ) / アニメーション制作:セブン・アークス

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受信: 2009年12月27日 (日) 22時29分

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