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そらのおとしもの:最終話(第13話)

▼最終話
SDキャラも登場せず、後日談で少しはおふざけモードにスイッチ切り替えかと思ったのに、最初から最後まで真面目なストーリーで無事終了。俺が制作サイドなら後日談を少し入れたくなるところなんだけど、その隙間もないくらい最終話は内容が詰まってた。だからこの内容も納得。ニンフ[ CV:野水伊織 ]の羽がむしられるシーンでは、思わず目を背けたくなった。自分の背中が痛くなるような気さえした。そんなニンフの鎖が切られ、イカロス[ CV:早水沙織 ]が天界のエンジェロイドを退けたとき、「終わった」という充足感とある種の空虚感が画面に満ちていた。

▼飛ぶパンツ
この作品を象徴する1話を挙げろと言われれば、やはり2話でしょう。3DCGでモデリングされた色とりどりのパンツが群れを成して飛ぶシーンのインパクトはあまりに強烈過ぎて言葉を失う(笑)。序盤は数カットずつニンフが登場するシーンがエンディングに挟まっていたりして、ストーリーもちゃんと作ってあるよ!という意図を伏線として盛り込みつつも、とにかく史上まれに見るほどのこだわりのおバカシーンの数々。それもオマケ要素としてではなく、本気で作ってることがパンツCGからも伺える。本気でふざけてみましたという作品は数多いけれど、常に全力で笑える作品はそれほど多くない。この作品はどの話数でもとにかく面白くて、それだけにシリアスなシーンとのギャップも際立っていた。

▼ギャップによる演出
全編を通してカウントすると、智樹[ CV:保志総一郎 ]がバカなことをやっているシーンの方が多い気がする。それでも俺の中ではイカロスやニンフというエンジェロイドが、自分たちの心やマスターについて悩み、智樹たちの行動によって正解のない答えへ少しずつ導かれていく展開の方が印象に残っている。前述のとおり、コメディ的な要素を過分に含むストーリーと、智樹とエンジェロイドの関係を描いた象徴的なシーンとのギャップが効果的だったからこそだと思う。智樹とイカロス、ニンフの関係自体はどっちのストーリーにも複雑に絡みあってるんだけど、ニンフが過去を回想するシーンとか、イカロスが一人で悩むシーンとかは、意図的におふざけストーリーの最後の最後に挿入されていたりして、より強いイメージを与える構成になっていた。

▼作品を盛り上げる音楽
EDの懐メロシリーズももちろんそうなんだけど、劇中のBGMも印象に残っている。最終話で多く使われていた弦楽器系リードのちょっともの悲しさを感じるBGMが特に強く。元々フラット多めの物憂げな雰囲気の曲が好きってこともあるけれど、特にイカロスとニンフの二人の心情を強く表現しているように感じる。作画面ではデフォルメキャラを少々多用しすぎなところもあり、そもそものキャラデザに対する評価が難しいところではあるけれど、イカロスやニンフの複雑な表情の表現については、結構上手く描き分けていたんじゃないかな。

そらのおとしもの(@TOKYO MX:デジタル) / アニメーション制作:AIC ASTA

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