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とある科学の超電磁砲<レールガン>(最終話:第24話)

▼最終話
もはや自らの欲望に狂ったテレスティーナ[ CV:大原さやか ]を止めるには、彼女を打ち倒すしかない。テレスティーナを打倒したのは、美琴[ CV:佐藤利奈 ]黒子[ CV:新井里美 ]はもちろんのこと、(佐天[ CV:伊藤かな恵 ]に重いと言われてしまった)初春[ CV:豊崎愛生 ]に佐天、みんなの力。そして婚后光子[ CV:寿美菜子 ]まで。誰か一人の力や想いではない―。もちろん万彬[ CV:南條愛乃 ]への衿衣[ CV:花澤香菜 ]の気持ちもそこにはあった。「Dear My Friends」のサブタイトルを凝縮・昇華させ、作品のテーマを描ききった素晴らしい最終回。いや~、面白かった!

▼たたみかけるストーリー
この作品の魅力、なんと言ってもそのストーリー。スピード感はもちろんのこと、1つの事件の上にまた次の事件が。1つの出来事が解決したと思えば、その根底にはさらに深い思惑が。起きることの全てに理由があって、そしてそれが繋がっている。ストーリーの積み上げによる世界観の構築が出来ているかどうか、これはフィクションにおける面白さの大きなポイントの1つになる。レールガンはその組み立てが実に見事というほかない。深いストーリーでも、深く考えながら見ることを要求しない。気がつくと世界観に引き込まれている。このレベルでストーリーが完成している作品には、そうそうお目にかかれる物ではない。

▼学園都市に生きる
そのストーリーを構成する大きな要素、登場人物。やはりメインとなるのは、美琴・黒子・初春・佐天の4人。でもそれだけじゃない。それ以外の全ての登場人物が「生きている」事を実感させられる。中でも特に印象的だったのは、佐天のレベルアッパー事件だ。学園都市という能力があることを前提として作られた街の中で、能力が無い事へのコンプレックスを常に感じ続けてきた佐天。そのコンプレックスを乗り越えるきっかけをくれた初春。デジタルなスイッチのように簡単には切り替わらない人の心の動きの描き方。徐々に段々と心が解きほぐれていく佐天の心情描写は、あまりにリアルで身につまされる思いだった。そんな人間味あふれる登場人物たち。これもまたこの作品の大きな魅力であることは間違えない。

▼緻密に描き上げられた動画
作品の展開上、派手なバトルシーンがとっても多い。そしてバトルシーンの動き(動画)へのこだわりはハンパない。CGでのエフェクトをいかようにもかけられる昨今のアニメでは、肝心のキャラクターの動きがなおざりになる事も珍しくない。レールガンを放った後の美琴の動きや、テレポートで出現した後の黒子の身体の動きや髪の毛の翻り方、攻撃を食らった時の受け身の取り方。そういった1つ1つの動作が実に丁寧に作られていて、スピード感の中にも、美琴や黒子の強さだったり素早さだったり、そしてしなやかさだったりと言った特徴が見て取れる。J.C.STAFF特有のやや解像感のないHDソースについては色々と物申したいところではあるが、テレビアニメ2クールとしては極めて良質な画造りだったことは間違えない。

とある科学の超電磁砲(@TOKYO MX:デジタル) / アニメーション制作:J.C.STAFF

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