『劇場版"文学少女"』を見てきた
あまり派手なプロモーションが無いので少々埋もれている劇場版の文学少女。まずは結論。これは俺の琴線に触れる作品でした。GW公開のアニメーション映画の中でも秀逸と呼べる作品です。是非、見に行って欲しい。
▼原作未読でも文学に疎くても
ライトノベル原作だけど、俺は原作未読。オフィシャルサイトの触れ込みを見ていると、文学作品にある程度の知識が無いと楽しめないような雰囲気もあるけれど、実際は全くそんなことはないです。一つの心温まる物語として、そして心揺さぶられる物語としてしっかりと構成されていたし、オフィシャルサイトの内容をある程度読んでおけば、十分に作品の世界観を楽しめる内容と作りになっていた。ちなみに、基本的に活字メディアが苦手ながら、この文学少女だけは映画を見終わったその足で、原作本を買いに走ってました。
▼遠子先輩が素敵すぎる
主人公である心葉[ CV:入野自由 ]をはじめ、多くの登場人物が物語を彩る。そんな中でも、やっぱり遠子[ CV:花澤香菜 ]の魅力が前面に出た構成になっていたと思う。心にトラウマを抱える心葉を優しく包み込んでくれるような遠子先輩。時にはその容姿から想像できないくらい行動力のある男前な遠子先輩。文学の魅力を語り出したら誰に求められない遠子先輩。それに加えて、琴吹[ CV:水樹奈々 ]の心葉への恋、そして美羽[ CV:平野綾 ]の心の傷。時にはホンワカするような、時には鋭く刺さるような彼・彼女たちの心の描写は共感を覚えるし、生々しさが物語りへの没入度を高める。
▼原作と映画
早速買いに走った原作、ようやく1巻の「死にたがりの道化<ピエロ>」を完読。映画ではあまり印象に残らなかった千愛[ CV:豊崎愛生 ]にフォーカスがあたっていて、とにかく千愛の心を深く深く掘り下げている。おそらく映画ではあまり描かれていなかった人物たちの心が、原作ではより深く鋭く描かれているんじゃないだろうか。そういう意味では、その全てを映画に期待してしまうと、それはおそらく高評価には繋がらないかな。今回は映画というメディアを使って、この文学少女という作品の魅力を伝えるという意味では、俺は相当に高い評価を与えて良いと思う。あ~、でも遠子先輩のヌード(笑)が見られなかったのは残念だ。OVAリリース予定ですが、どうやら劇場でも近日中にセット公開が始まるようで、これはあと3回見に行かないとダメだ。テレビアニメには・・・この感じだと今年中は予定無しかな。
▼知名度の低さが惜しい
今回は渋谷の映画館で見たんだけれど、ほぼ貸切状態のガラガラ。いばらの王やトライガンと比較すると閑古鳥。ひとえにプロモーション下手のせいだと思う。前者2作品はスポットCMをかなり流してるけれど、この作品はテレビでのCMは流してないんじゃない?ストーリーも登場人物もしっかりしているし、遠子が本を食べる以外はアニメ的な要素よりもヒューマンドラマの要素が強い。DLP上映で絵も綺麗(ただし納品素材はBlu-rayらしい)だし、音楽も2chではあるものの落ち着いた弦楽器のBGMが心地良い。作品としてのクオリティも十二分です。時間がある方は是非。
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