劇場版『トライガン(TRIGUN THE MOVIE)』をみてきた
テレビ版のトライガン全26話の放送が1998年4月~9月。実に12年の歳月を経て劇場版として公開されることになったトライガン。当時、OPのHTに痺れバッシュ[ CV:小野坂昌也 ]の愛すべきキャラクターに夢中になった。懐かしさ半分、期待半分に劇場に足を運んだ。
▼変わらないバッシュ
とにかく序盤から、あの愛すべきキャラクターであるバッシュが大暴れ。もちろん、誰かを傷つけたり殺したりする訳じゃない。その強さを決してひけらかしたり脅しに使ったりしない。そして近年のアニメとしては珍しいセル画調の画作り。まだまだセル画のアニメが多かった当時の絵柄と比較しても違和感の無い雰囲気作りは、作品の世界観に引き込むには十分な演出だ。劇場版の新キャラ、アメリア[ CV:坂本真綾 ]のちょっと影があるキャラクターもあって、これは期待できるぞ!という雰囲気。
▼主役が見えにくく
導入部はワクワク感満点だったんだけど、この先は少々微妙な展開に。メリル[ CV:鶴ひろみ ]とミリィ[ CV:雪野五月 ]を交えた絶妙な掛け合い。そこに見事にマッチしているアメリア。この辺はたぶんテレビシリーズや原作が好きな人にはニンマリだろうな~。ガスバック[ CV:磯部勉 ]という敵の存在も明確になってきたあたりから、「この作品って誰が中心にいるの?」という感覚になってくる。バッシュの存在がかなり薄く見えてくるんだよね。アメリアとガスバックの親子関係も、回想シーンから透けて見えてきていて、秘密ではなくなってしまった。
▼テレビシリーズの予習は必須
ガスバックとバッシュの戦いは熱かった。何度もその命を救われ、生きていく事の意味をバッシュから教えられたはずのガスバック。それでも誰かを殺して奪って生きていくことを止めようとしないその姿に、バッシュが最後の銃弾をたたき込む。これこそがバッシュの強さであり、アメリアにとがめられようとも自らの信念を曲げない。ふざけているように見えて、強い心を持っている。あ~、これだよ。これがバッシュだ。最後にようやくバッシュの生き様を見られて、テレビシリーズで感じたワクワク感が蘇ってきた。たぶんテレビシリーズを見ていない(or原作を読んでいない)と、この喜びは味わえない。逆にテレビシリーズで心躍った人たちには、変わらぬこの作品の世界観に思わずニンマリだっただろう。
▼OPはやっぱり・・
トライガンと言えばHT。これ無しに語れないと思う。このためにサントラも買った。だからこそ、OPやEDでHTを使って欲しかった。テレビで流れている劇場版のCMでもBGMはHT。だけど実際にはバッシュとガスバックの戦いのバックでアレンジされたHTが使われていた程度。あの曲を聴かないとトライガンが始まった気分にならないんだよね~。そこは惜しかった。そんなわけで、良くも悪くもテレビシリーズを楽しんでいた人向けの劇場版だったな。
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