けいおん!!(最終話:第26話)
▼最終話
番外編とは言え、24話と同じくらい、もしかしたらそれ以上に最終話っぽかったかもしれない。唯[ CV:豊崎愛生 ]、澪[ CV:日笠陽子 ]、律[ CV:佐藤聡美 ]、紬[ CV:寿美菜子 ]、そして梓[ CV:竹達彩奈 ]の5人の軽音部が終わりを迎えた瞬間。それでも、卒業式と違って涙も悲しさも無かった。あ~終わった!という清々しさ。そして引き継がれる軽音部。
最後はいつもの部室じゃなくて、さわ子先生[ CV:真田アサミ ]の部屋。いつもの部活とは違う場所なのに、何故かいつもの部活と同じ空気、同じ雰囲気がすぐに流れ出す。唯たちにとってはもちろん、そしてさわ子先生にとって、そしてテレビを通して見ている人たちにとっても、きっと放課後ティータイムというバンドが作り出す日常の雰囲気や音楽は、同じように居心地の良い場所だった。そんなことをしみじみと感じた26話。いつもと変わらない唯のおとぼけ、律のおふざけ、澪のビビリ、そして好奇心でキラキラの紬。
音楽がテーマの1つではあるけれど、けいおん!!はやっぱり日常アニメの代表だと思うな。だからアニメのストーリーはここでいったんは終了となる。それでも唯たちの日常はまだまだ続いてる。俺の中ではけいおん!!は自然に始まり、そして自然に終わっていく。そんな不思議な感覚で楽しめるアニメだった。3期があれば見ると思うし、きっと劇場版も見に行くと思う。でも、これで終わりと言われても、決して違和感も拒絶感もない。それもそれでアリという気がするくらい、日常だった。
▼ないようであるようで
原作の4コマは未読ゆえ、アニメがどの程度原作に沿った展開と内容になっていたのかは分からない。4コマ漫画を30分のアニメにした場合、どうしてもストーリーの繋がりに唐突感があったり、展開が早すぎて詰め込み感があったりする。けいおん!!の場合、そもそもストーリーと呼べる物語の枠組みがあるようで、無いような、そんな絶妙な脱線と合流の繰り返し。このテンポがもしかしたら原作の良さなのかもしれない。唯たちの落ち着きの無さを体現しているかのような、どっちに進むのか分からないストーリー。その奇想天外さがけいおん!!という作品を見ていて飽きの来ない最大の理由だ。
▼切っても切れない音楽との関係
今作でもOPとEDのCDがチャートを賑わせた。今までけいおん関連のCDを買ったことが無かったんだけど、流石に今期は我慢出来なかった。「ぴゅあぴゅあはーと」「Utauyo!!MIRACLE」「NO,Thank You!」の3枚のシングルを購入。HTTの楽曲の良さって何だろう?と考えると、俺の中ではやっぱり作品中の彼女たちの楽しげな雰囲気。それが曲の中に詰まってるところ。かと思えば、「NO,Thank You!」みたいにクールで格好いい澪の歌が聴けたりする。普段は見られない澪の一面。これもまたHTTの魅力の1つ。ポップで親しみやすい楽曲のクオリティはもちろんのこと、原作マンガでは表現されていなかった音楽の部分を見事にリンクさせた。これだけ作品の世界観と関連楽曲の一体感を楽しめるアニメはそう多くない。
▼アニメはやっぱりHD
思えば1期はTBS暗黒時代の放送。サイドカット+SDダウンコンバートというあり得ないフォーマットが嫌で、16:9+SDダウンコンバートのBS-TBS(BS-i)で見ていた俺は1ヶ月遅れの視聴と言うこともあり、完全にブームには乗り遅れた。京アニ独特の細かいところまで書き込まれた背景やプロップ(小道具)のデザイン。そのセンスを存分に発揮するにはやっぱりHD放送じゃないと、ということを改めて感じたクオリティ。キャラクターは動かしやすいように色々デフォルメしてるんだけど、楽器を持たせるとこれが不思議と違和感がない。楽器自体はモデリングした3DCGを使ってるだろうか?非常にリアルな描写。たとえ演奏シーンは少なくても、絵作りへのこだわりが随所に感じられる秀逸な作品だった。
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