海月姫(最終話:第11話)
▼最終話
第一幕、完!!
最終話が終わっての感想はこれだな。天水館も一応は無事、月海[ CV:花澤香菜 ]も東京に来てようやく新たな一歩を踏み出せそう。修[ CV:諏訪部順一 ]と稲荷[ CV:北西純子 ]は何の因果か同じ飛行機で同じ目的地へ。
それでもこの作品の肝心な部分、月海と蔵之介[ CV:斎賀みつき ]の恋!この二人の恋愛は、二人の洋服作りと同時にようやくスタートラインに立ったところ。これから月海と蔵之介がどんな道を歩んでいくのか?月海が男と付き合う時が来るのか?想像出来ないが故、どんな事になるのか、非常に興味がある。そうそう、目白様も最後まで部屋から出てこなかったし。
あ~終わった、という満足感はあるものの、この続きもあるんだよね?という期待感が残ったのも事実。作品の雰囲気からしてそれほどパッケージの売上は見込めないと思うけれど、2期を制作できる可能性があるのならば、1年後でも2年後でも良いので、楽しみに待ちたい。
▼現代的引きこもりストーリー
天水館には女の子(?)ばっかり集まっていたけれど、この作品は男女問わずまさに現代社会の「引きこもり」を象徴したような内容。それ故、単に笑って見過ごすだけじゃなく、誰にでも胸に何かがグサッと刺さるような、そんなシーンがあったんじゃない?
そんな閉塞感の象徴が月海であり、千絵子[ CV:斉藤貴美子 ]・まやや[ CV:岡村朋美 ]・ばんばさん[ CV:くまいもとこ ]・ジジ様[ CV:能登麻美子 ](+目白様)のアマーズ。そこへ蔵之介っていう「リア充代表」みたいな男を放り込むとどうなるか?
あっさりと瓦解しそうなこの関係、これが妙な化学反応を起こして、何故か前へ進む推進力となっていく。あるとき突然その反応が起こる訳じゃなくて、混ぜ合わせているうちに自然とそうなってしまう。気がつくとその世界観にハマっている。見ている途中はこの不思議な感覚が続くんだけど、最終話でひとまずスッキリ。1話1話よりも作品全体を通して「面白かった」と言える出来になっていた。
▼月海と蔵之介
月海の蔵之介に対する気持ち、そして蔵之介の月海に対する気持ち。出会って一目惚れでもなく、何かのイベントでフラグが一気に全部立った訳でもない。知らず知らずのうちのお互いが惹かれていく。そして気がつくと好きになっている。この二人の気持ちを仮想的に体験しているような、つかず離れずのもどかしい展開。どこでお互いの気持ちが変わったのか、いまいちよく覚えていない。だけど月海が蔵之介の事を意識していて、蔵之介が月海を好きな事は間違えない。このリアルで曖昧な感情の描き方が、この作品の見せ場であり面白さだったと思う。
そして周りを固める脇役たちも実に個性的、というか変態的。見てて飽きない人たちばっかりだ。
▼雰囲気のある作画
キャラクターデザインはもちろん、天水館の細かい内装とか蔵之介の着ている洋服とか、全ての絵から「海月姫」という作品の持つ雰囲気やキャラクターの性格が染み出していた。例えば花森[ CV:子安武人 ]のベンツに代表されるように、時にはストーリーを理解しやすくするためにデフォルメされ、そして時にはリアルな大きさとリアルな材質を演出。このあたりのバランスの取り方も上手かった。ストーリーも、そして作画も、何の心配もなくお勧め出来る良作。
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