おとめ妖怪ざくろ(最終話:第13話)
▼最終話
いろいろな人たちの出会い、そして別れ―。西王母桃[ CV:中原麻衣 ]と景[ CV:桜井孝宏 ]、沢鷹[ CV:近藤孝行 ]と突羽根[ CV:大原さやか ]、百禄[ CV:戸松遙 ]と橙橙[ CV:寿美菜子 ]。彼ら、そして彼女たちの気持ちが昇華して、素晴らしい最終話になった。
景の空気を読まない告白は相変わらずで、緊迫した空気がちょっと緩んだ気がした。そんな気のゆるみが西王母桃に安心感を与えたんだろうか?ペンダントを自ら引きちぎり、本来の力を発揮した西王母桃にはもはや敵無し。しかし突羽根の真の姿、これはかなりショッキングだった・・。沢鷹が力を無くして座り込んでしまったのもうなずける。あれだけ優しくて、愛にあふれた表情をしていた突羽根が・・。
そんな沢鷹や突羽根を見ても、西王母桃は動じなかった。自分の過去を受け入れ、そして未来を生きる覚悟を決めた、そんな力強い表情と言葉。最後までやっぱり景は西王母桃に敵わなかったな。西王母桃の方が男前度も数段上のようです。
一悶着あったけれど、結局再び景は西王母桃の元に。そして西王母桃は景の横に。うんうん、これが一番自然でお似合い。もはや妖人省が完全にイチャイチャするだけの場所になってしまったな。最後にちょっとだけ姿を見せた沢鷹、そして百禄。沢鷹も最後の最後で突羽根の気持ちをくみ取ることが出来た、そう理解したい。物語のフィナーレとして、とても綺麗に丁寧にまとめてくれた、そんな印象だ。
▼引き込まれるストーリー
DVDしかリリースされない事から、本来のターゲットは女性ユーザということになるだろうか。俺も最初は「イケメン大活躍」がメインストーリーの作品かと高をくくっていた。ところがどうして。リアルなようで巧に練り込まれたフィクションの要素。そんな世界観と、単純明快な恋愛要素。そして時にはバトル。分かりやすい要素をとにかく丁寧に、そして順序よく、テンポ良くストーリーテリングされていく。
妖怪、人間、そして半妖というテーマの設定も良かった。妖怪と聞けばある程度多くの人が想定できる空想上の設定に半妖というプラスアルファの解釈を加える。ゼロから世界観を構築するのと、ある程度の共通認識がある要素を上手く活用するのとでは、初期のストーリーへの没入度が大きく変わってくる。1話から13話まで、ホントにあっという間に終わってしまった。それくらいにいつも集中して見ていた。
原作ストックが許すなら、是非とも早くに2期が見たい作品だ。
▼素直でピュアな半妖たち
西王母桃、薄蛍[ CV:花澤香菜 ]、そして雪洞[ CV:豊崎愛生 ]に鬼灯[ CV:堀江由衣 ]。彼女たちは半妖として生きてきた暗くて重い過去を背負っているはずなのに、まるでそんな事を気にしていないかのような笑顔。彼女たちにとっては、自分たちの生きてきた証を「暗くて重い」と表現される方がもしかしたら嫌がるかもしれない。
それでも、彼女たちが笑顔を見せる度に、どうしてもそういう裏の面を意識せざるを得なかった。それだけ、この作品の世界観に入り込んで、そしてそこにおける"人間"の立場で、彼女たちを見ていた気がする。それでも、彼女たちが見せる笑顔はいつもピュアだった。そんな裏を一生懸命読もうとしていた自分が情けないな。ま~西王母桃の場合はその性格も災いしてなかなか素直な表情は見せてくれなかったけれど、それでも感情が顔に出るタイプなので、実に分かりやすくて可愛い(笑)。毎週毎週、彼女たちの笑顔に癒されていた気がする。
▼美麗な映像
この作品の雰囲気をもり立てるのに一役買っていたのは、間違えなく美しい映像だ。作画クオリティという点においてはもちろんのこと、西王母桃たちの華やかな戦闘やCGエフェクトを上手く使いこなしたグラデーション。アニメーションにゲームのCG的な要素を融合させたこの作品の映像は、今期の作品の中でも間違えなくトップクラス。J.C.STAFFも"ざくろ"が一番力入ってたんじゃないか?
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