STAR DRIVER 輝きのタクト(最終話:第25話)
▼最終話
タクト[ CV:宮野真守 ]は、自らと共にザメクを封印しようとするスガタ[ CV:福山潤 ]を、無念の表情で見送っているように見えた。そこには沈んでいくザメクの姿が映っていると思っていたけれど、違った。タクトには「見えていた」んだな。俺もレイジ[ CV:石田彰 ]と同じ物しか見えていなかったのかもしれない。
絶望的としか思えなかったザメクとタウバーンの戦いは、ワコ[ CV:早水沙織 ]や綺羅星の手助けもあり、息の詰まるような激しい戦いの末、タクトの強烈な右がレイジに炸裂!タクトが父親を本気で殴り倒した、タクトがこの島に来た目的を果たした瞬間だ。
無事戻った二人を迎えたワコの最初の言葉は何だったのか?ケイト[ CV:小清水亜美 ]はもうスガタを諦めてしまったのか?封印から解放されたワコは、それでもまだ島に留まり続けるのか?物語はそのフィナーレを、多くの視聴者に委ねたまま終幕となった。清々しいエンディングでもあり、最後までスタドラらしい含みのあるストーリーを楽しませてくれた。
▼独特の世界観に酔う
1話から始まった「なんだこりゃ?」という、ある種奇妙な世界観で繰り広げられるラブコメとロボットバトル。気がつけばその世界観にすっかり夢中にさせられていた。やはりBONESのオリジナルアニメーションは恐るべしだ。巫女の歌もそうだし、綺羅星なるちょっとレトロな雰囲気すら感じる秘密結社。恥ずかしいセリフを惜しげもなくまき散らす銀河美少年。1つ1つを見ていくと、むしろギャグ?と思える要素のはずなのに、それが見事に組み合わさって織りなすこの作品の世界観。
タウバーンと綺羅星の、ルーティーンのような戦闘が続きつつ、少しずつ変化していく人間関係やワコ、タクト、スガタの気持ち。段々と明らかになってくる謎と、想像を巡らせる楽しみを与えてくれる絶妙な設定。常に夢中にさせてくれる数々の要素を1つの作品にくみ上げていくこの構成力。やはりアニメって面白い。そう思わせてくれる良作だ。
▼神前暁・MONACAの彩る四季
4つ季節をモチーフとした4人の巫女の歌。この作品を象徴する物を1つと言われれば、やはりこの歌だ。最初のタウバーンのバトルで流れた気多の巫女[ CV:戸松遙 ]の「モノクローム」には衝撃を受けた。どこか哀愁を感じるメロディに乗せて戦うタクトの姿は、不思議と違和感を感じる事もなく、何故かものすごく自然な出来事にすら感じた。アニメにおけるBGMとか劇中歌はかなり重要な要素の1つだけれど、それを見せつけてくれた。
▼渾身のバトルシーン
最近はガンダムも含めて、ロボットにはモデリングした3DCGを使う作品も多くなってきている。この作品は、基本的にサイバディの作画には3DCGではなく通常の2DCGを用いていたように見えた。その分、サイバディの動きは妙に人間っぽいところもあり、それがバトルシーンの迫力に結びついていた。コロコロと変わるワコの表情なんかも見てて飽きなかったし、結局最後まで謎の存在だった副部長の仕草も妙に可愛い。いろいろな要素が詰まっている作品だけに、全てに力を入れた作画をこなすのはかなりのパワーが必要だったと思うし、それをやって見せたのは流石BONESというところだろう。
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