セイクリッドセブン(最終話:第12話)
▼最終話
ここでごくありふれたシナリオであれば、悪の枢軸、研美[ CV:小西克幸 ]を倒してのフィナーレが選択されただろう。まぁそれでもストーリーは綺麗にまとまったとは思う。それでもこの作品が、敢えてフェイ[ CV:野水伊織 ](やっぱり男の子か・・)を救い出すシーンをラストエピソードに持ってくるあたり、日本のアニメらしいエンディングだ。
11話で何処かへ落下した鬼瓦[ CV:大川透 ]を拾ったのが、アオイ[ CV:矢作紗友里 ]っていうのも、実に良くできた展開だ。俺はアオイが何か決心しているようだったから、「もしや自分の命を犠牲にするような事は無いだろうな?」と心配だったけれど、杞憂だったようだ。ナイト[ CV:岡本信彦 ]に自分の石を使うんじゃないか、っていうのは、ある程度予測できた流れだ。
それにしても、アオイに泣きつくルリ[ CV:中島愛 ]を見てしまうと、今までルリが抱えてきた物の重さを、改めて実感するな。アオイという支えを失い、それでも一人で前に進み続けてきたルリの心が、ようやく解き放たれた瞬間。そして同時に、この状況で意識を取り戻したことに動じないアオイの強さを見た。EDの『つながるまで』、中島愛の歌声がスッと染み入ってくるメロディが秀逸。
しかし、最後のSP[ CV:高部あい ]の言動といい、鬼瓦の「とりあえず終わり」といい、何か思わせぶりな終わり方だったな。総集編とは別に、2期をやるつもりか?
▼スピード感あるストーリー
1クールの短期決戦作品ということもあり、妙にもったいぶることなく、テンポ良くストーリーが進んでいく。ここで小難しい設定や世界観が絡むと、こっちは完全に置いてけぼりになるんだけど、そこは単純明快な世界観とキャラクターで解決。これで戦いも気分爽快!といきたいところだけど、ここがこの作品の見せ場であり、結構重い。敢えてそこに的を絞ることで、この作品のテーマをそこにギュッと凝縮してきた感じ。
俺としては、せっかくルリとか若菜[ CV:伊藤かな恵 ]とか、可愛い女の子キャラもいるんだから、もう少しお約束的な息抜きエピソードがあっても良かったとは思うけれど、敢えて硬派に戦い続けるのもサンライズのアニメっぽくて、良かったんじゃない?
▼アルマへの共感
最初はルリに対しても非協力的、というよりも過去の出来事もあって人に対して心を閉ざしていたアルマ。そのアルマが、ルリと行動を共にすることで、徐々に心を開いていく。その過程とアルマの葛藤。シナリオのスピード感とは対照的に、じっくりと丁寧に描写されていたポイントだ。
シナリオの裏付けがないご都合主義のキャラクターの心情変化ほど、見ててつまらない物は無い。この作品には、そんな心配は一切不要。少なくとも、アルマやナイト、そしてルリはこの作品の世界で自分の意志を持って行動していた。
▼バトルアクション
この作品の見せ場は、もちろんバトルシーン。1話からとにかく圧倒的だったその演出と作画は、最後まで衰えること無し。鏡[ CV:入野自由 ]の操るメカのアクションも、流石はサンライズっていう印象。流石にちょっとアルマの身長をデカく設定しすぎたんじゃないか?という気はしたけど。
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