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STEINS;GATE(最終話:第24話)

▼最終話
意を決して、中鉢[ CV:小形満 ]の持つナイフに身を挺して飛び込んでいくオカリン[ CV:宮野真守 ]。痛みに苦しむオカリンの表情や、その迫力に押される中鉢。ゲームでは決して見る事の出来なかった、緊迫感のある演出。これぞアニメーションだ。

原作では「俺がここで刺されても死ぬことは無い!」という確定した未来をよりどころにする、っていうオカリンのモノローグがあったんだけど、このアニメではそういう演出も一切無し。このままオカリンは助からないのか?紅莉栖[ CV:今井麻美 ]を助けても、それじゃあ意味がないぞ!という緊張感で、より一層引き締まった空気に。

紅莉栖を発見しておののく3週間前のオカリンを見守る、全てのことを成し遂げたオカリンの充実した表情。この瞬間、何か全ての緊張の糸が解けて、重圧から解放されたかのような安堵感をオカリンと共に味わっていた気がする。全24話、本当にあっという間だった。しかしTRUE ENDのシナリオを使ってしまったわけで、劇場版はオリジナルシナリオになるんだろうか?

▼群を抜くシナリオ
長らくADVゲームで「これは凄い!」と言える作品に出会っていなかった(個人的にはYU-NOが最後かな)けれど、ゲームをプレイした時点で久々にそう思った。序盤の少々ダルい、オカリンの自己陶酔タイムですら、振り返ってみれば全ての原点であり、そして伏線となっている。「なるほど!」という納得感と、TRUE ENDシナリオでは、オカリンと共に正解にたどり着く過程と達成感を感じる。それはアニメでも全く同じ。最後まで見終わった時の充足感は、得難い物がある。

▼特徴ありすぎなキャラクター
敢えて受け付けない人がいるとすると、やはりオカリンやダル[ CV:関智一 ]、そしてフェイリス[ CV:桃井はるこ ]といった濃すぎるアキバ系のキャラクターだろうな。しかしこの作品から彼らのキャラクター性を抜いてしまう事なんて考えられないし、ソレ無しでは作品が成り立たない。食わず嫌いなら、まずは1度・・と言いたいところだけれど、俺もBL作品はどんなに名作と言われても、触手が動かないしな~。難しいところだ。

▼アニメならではの表現
違和感がない、といえばウソになる。ゲームのグラフィックスでは、その特徴的なキャラクターデザインと共に、常にテクスチャによるエフェクトがかかっていて、それがすなわち、俺の中でのSTEINS;GATEの世界だった。だから、テクスチャのないオカリンやダルを見ると、ちょっと違う気がしてしまう。

一方で、最終話のようにゲームでは見る事の出来なかった演出。これがアニメ版の魅力だ。作画クオリティも何とか踏みとどまって、特にキャラクターの描き方には少々違和感のある回もあったけれど、テレビアニメとしては十分合格かな。

STEINS;GATE(@TOKYO MX) / アニメーション制作:WHITE FOX

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