へうげもの(最終話:第39話)
▼最終話
まさか利休[ CV:田中信夫 ]の介錯人を、織部[ CV:大倉孝二 ]が勤めることになるとは。ふすまの向こうから織部の声が聞こえた瞬間、そしてその姿を見せたときの利休の驚きは、今思えば織部の境遇への嘆きだったんだろうか。
その後の利休の振る舞いも凄かった。しかしそれを悟り、最後は涙をこらえきれなかった織部。もうすっかり疎遠になってしまったのかと思っていた二人の関係が、最後の最後まで尽きることのない強いものだったことを思い知らされた。
ここまで敢えて史実としての利休や織部の事を調べずに見てきたけれど、最終話が終わってから改めてウィキペディアを読んでみた。なるほど、言い伝えられている史実と思われる事象と、物語でありフィクションである要素を実に上手く組み合わせてある。
そこにはその後の織部がどうなったかも書いてあるけれど、俺は敢えてこの後の織部の生き様を見てみたいとも思った。
▼歴史も原作も知らない
原作は未読、そして日本史はまったくダメな俺がこの作品を見たからこそ、色々と思うところもあった。歴史の教科書も、「総ざらい」的なお約束はさておき、こういう風にちょっと端から俯瞰するような、そういうストーリーで教えてくれれば、俺ももう少し興味が持てたかも。
つまり何が言いたいかと言えば、この作品のおかげで、俺も信長[ CV:小山力也 ]から秀吉[ CV:江原正士 ]にかけての日本の歴史が少し分かった気になった。少なくともそのレベルでは楽しめた。もしかすると、フィクション部分を間違って覚えてるかもしれないけど、なにぶん区別が付かないもので。
▼感情移入は難しい
一応、織部という主人公がいたことはいたんだけど、なかなか彼に感情移入をして物語に没入するのは無理がある。どうしても第三者の視点で、いろいろな人物の思惑を想像しつつ、次に起こる出来事を想像して楽しむのが限界。せっかくのオフィシャルサイトの登場人物も、1年近く放送している作品なのに最初のままだし、もう少しフォローがあっても良いのにね。
▼これぞ顔芸
NHKのアニメということもあり、やはりそれなりの制作費と制作期間があるんだろう。作画については終始安心して見ていられた。そしてこの作品の特徴とも言うべき、織部の顔芸!これまた渾身の作画だ。「へにゃ」とか「ぐぬ!」とか、織部の謎の表現が、まるでそのまま顔になったみたい。表情とか感情の表現が重要な要素になったこの作品において、この作画は十分に合格点だろう。
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