ラストエグザイル-銀翼のファム-(最終話:第22話)
▼最終話
たとえどんな理由があろうと、ルスキニア[ CV:興津和幸 ]を許せるはずが無い。そう心では思っている一方で、どうして彼はこんな最期を迎える事にならないといけなかったのか。そんな気持ちがあるのもまた事実だ。
ファム[ CV:豊崎愛生 ]とジゼル[ CV:悠木碧 ]の言葉を聞いて、「これなら安心して任せられる」と言わんばかりの、ルスキニアの心からの安堵の笑顔。その表情はあまりにも印象的すぎて、そして同時に哀愁すら感じさせる。
多大な犠牲と共に訪れた平和。クラウス[ CV:浅野まゆみ ]とラヴィ[ CV:斎藤千和 ]の姿もその輪の中にあって、そしてディアン[ CV:ゆかな ]の姿もあって。
ここへたどり着くまでものすごく遠回りをしてしまったという、脱力感。それ以上に、これから平和な世界を創るという多くの人の使命感。いろいろな物が渦巻いて、そしていろいろな事を考えさせられる非常に濃厚な最終話だった。
▼正義と悪
この作品にテーマ性を感じる所以、それは「正しいこと」を貫こうとする意志のぶつかり合い。ファムの言っている理想は綺麗事すぎる気がするし、かといってルスキニアには賛同できない。ディアンたちグラキエスの内向きな思想は、ともすれば自己中心的にも見える。
結局、「誰が絶対正しい!」という明確な判断ができないから、俺も一緒になって頭を抱えてしまう。そしてそんな疑似体験を提供してくれる密度の濃いシナリオ。「面白い」という単純な表現では言い表せないこの作品に魅力。俺は存分に満喫させてもらった。
▼ちょっと鬱陶しい
俺に取ってファムは、正直なところちょっと鬱陶しいキャラだった(笑)。なんで鬱陶しいのか?よくよく考えると、「そんなのできっこないじゃん」っていう先入観が、彼女の存在をそう感じさせてるんだと思う。
そんな訳で、この作品の登場人物は、みんなどこか気に入らない。その理由は同じく、みんな自分をしっかりと持っていて、頑として譲れない芯を持っているから。要は羨ましかったんだろうなぁ。こういうキラキラしたキャラクターをしっかりと受け止められるストーリーとも相まって、最後まで良い意味でイライラさせてもらいました。
▼圧巻のメカデザインと3DCG
総集編で前作の映像を久々に見る事になったけれど、やっぱり映像の進化は凄い!そして同時に、この作品における緻密に緻密を重ねたメカデザインがもっと凄い!ヴェスパの警戒感と、大型戦艦の重厚感。そういった質感の表現もリアルで良かった。キャラの作画はもう少し頑張れる気はするけどね。
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