未来日記(最終話:第26話)
▼最終話
雪輝[ CV:富樫美鈴 ]の望んだ未来と、由乃[ CV:村田知沙 ]の夢見た3周目の世界。そのどちらもかなうことなく、2週目の雪輝はただただ永遠の時間を過ごす・・。
もしこれで終わりなら、何とも意味深いフィナーレだと思ったんだけど、流石にそれではあまりに希望がなさ過ぎるか。ストーリーが後半にさしかかるに従って、徐々にフィクションの要素が大きくなって、既にリアリティを失ってはいたけれど、ここで「どうして2周目の由乃が雪輝の元へ来ることが出来たのか?」なんて、突っ込んじゃダメなんだろう。
とは言え、2周目のみねね[ CV:相沢舞 ]が西島[ CV:石井真 ]と幸せな家庭を築いていたり、椿[ CV:仙台エリ ]がニヤケ顔で眠っている所なんかを見てしまうと、ムルムル[ CV:本田愛美 ]が盛んに言っていた「因果律」とかはさておいて、とりあえずハッピーエンドで落ち着いたと言えるかな。
▼ピークは中盤
リアリティとフィクションのバランス。これが実に難しい。この作品の場合、俺の個人的な感想ではそのバランスのピークは、1クール目の終盤まで。マルコ[ CV:関智一 ]・愛[ CV:桑谷夏子 ](7th)、そしてかまど[ CV:今野宏美 ]が出てきたあたりで、失速気味だったと思う。
そこまでは「何が起こるのか?」という期待と不安が交錯するような、その世界に自分の身を置いて没入できるような、そんな緊張感があった。もちろん、後半もつまらない訳じゃ無いんだけど、「その設定にしてれば、そりゃ何でもアリだわな」という、フィクション要素が強くなりすぎて、俺としては少々興ざめ。作品全体の完成度という点では、後半息切れした感は否めない。
▼キャラクターの濃淡
作中、全日記所有者が一応は登場するんだけど、一部の所有者はとにかく影が薄い。こうなると、無理に作品に登場させず、敢えて「どこかでxxthにやられた」的な情報だけで演出するのもアリだったんじゃ無いかと思う。
一方で、日向[ CV:松岡由貴 ]やまお[ CV:ゆかな ]、そして或[ CV:石田彰 ]のようなサブキャラが、きっちりストーリーに絡んでくれるので、雪輝の揺れ動く心情の描写がよりリアルになって、良かったと思う。
▼動きをより重視
この作品の場合、凶器を振り回す由乃に始まり、とにかくせい惨な殺し合いの場面が何度も出てくる。手に持ったナタの重さだったり、ナイフで刺されたとき、そして刺したときのイヤな感覚だったり、そういう「普通は体感しない」ことを、如何にリアルに伝えるかという点に置いて、相当に演出や作画にこだわって作られていた。
それ故に、日向やまおだったり、西島だったりの死という事実に対して、ゾッとするような恐怖と悲しみを感じることも出来たし、「リアル」という側面で作品のバランスを保っていた。由乃や雪輝が、躊躇無く人を殺していく姿を見ていると、とにかくひたすら悲しく、そして虚しくなった。
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