つり球(最終話:第12話)
▼最終話
11話の感想で、半ば適当にハル[ CV:入野自由 ]をルアーにと言ってみたところ、まさか本当にハルをルアーにしてしまうとは(笑)。まぁあの場面、あの瞬間の選択肢は、もうそれしかないよね。
最後はユキ[ CV:逢坂良太 ]が、JFX改めウララ[ CV:櫻井孝宏 ]を釣り上げるとは分かっていても、やっぱり手に汗握る、あの場面。そしてユキがあそこまで自分でやるという意志を主張するなんて。大量の魚の群れが空にばーっと散らばった瞬間の映像が、とにかく印象的。
お別れのようで、最後はもう一度ハルが戻ってきて。ユキの学校生活をもう少し見てみたいと思いつつ、そこは敢えて想像の任せという幕引きも、十分にアリだ。
▼「青春」のイメージ
この作品のテーマは、釣りであって青春である訳で、あとはそれに「どれだけシンクロできるか」が、この作品を面白いと思うかどうかのポイント。その点で言うと、この作品がテーマとしている青春って、ちょっと俺のイメージする物と違うんだよぁ。
だから最後まで、あくまでも「第三者視点」で見ているという感覚が抜けなくて、なかなか登場人物の誰かに肩入れしてというところまで行かなかった。ユキや夏樹[ CV:内山昂輝 ]の思春期特有のイライラ感とか孤独感とか、分からないとは言わないけど、俺はそこまでそういう物に苛まれた経験が無いんだよね。
▼独特の雰囲気に付いていけるか
「江の島」という実在の場所をモデルにしていて、決して非現実的なストーリーじゃ無いはずなのに、どこか異次元世界の物語のような、独特の世界観とキャラクター。これをフィクションとして受け入れられるか、どこかで引っかかってしまうか。この作品は、心を無にして楽しんだ者勝ちだ。
その点、俺はちょっと邪推がすぎたかなぁ。理屈っぽい説明とか、圧倒的な情報量の設定とか、この作品にはどう考えても無縁だよね。どうも最近のそういう傾向の作品になれてしまったせいか、たまにあるこういう作品を無邪気に楽しめなくなってしまったか。
▼省エネ作画
背景は実写取り込みのトレース中心。クルマなんかも3DCG。キャラクターも含めて、作画にはそれほどパワーがかかってないイメージ。いや、実際はそうじゃないのかもしれないけど、映像的に「凄い!」という作品じゃ無いよね。まぁ良くも悪くもA-1 Picturesらしい画。俺は釣りは全く知らないんだけど、釣り好きな人には、どう映ったんだろう。
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