PSYCHO-PASS サイコパス(最終話:第22話)
▼最終話
霜月美佳[ CV:佐倉綾音 ](新人さんね)に対する朱[ CV:花澤香菜 ]の落ち着いたトーンの声と喋りが、今の朱の心情を如実に表していたと思う。
結果的に槙島[ CV:櫻井孝宏 ]に「法による裁き」を受けさせる事が出来ず、さらに狡噛[ CV:関智一 ]を殺人犯にしてしまった。シビュラの支配を変えることも出来ていない。
だけどそれと同時に、朱の信じる"正義"に対する信念とか彼女の心の中にある芯の強さとか、そういうポジティブな面をもっともっと強く感じたのも事実。なによりも配属されたばかりの時を思い出せば、その成長には頼もしさすら感じる。
この先の朱の活躍をまだまだ見ていたいと思わせるようなフィナーレだった。
▼大きなテーマ
この作品が描こうとする究極のテーマは、「善悪とは何か」という事だと思うし、シビュラというシステムのおかげで、常にそれを考えながらストーリーを追い続けてきた。それでもやっぱり答えは出ないんだよね。
それは朱ですらたどり着いていない到達点なんだけど、槙島の行動や言動に怒りを覚えシビュラというシステムの限界を感じながらも、そのシステムによる平穏な日常は是と感じてしまう。法律やシビュラという人が作った仕組みやシステムと、本能的に感じる善悪の基準。そんな葛藤と常に向き合わせてくれる作品だ。
▼朱の成長に脱帽
物語序盤の主人公は間違いなく朱だ。この女の子は、もしかしてこの過酷な現場をいつか投げ出してしまうんじゃないか。そう思わせるくらい、彼女の置かれた環境は過酷だった。
しかし皮肉なもので、シビュラの職業適性判断ってのはかなり正確なんだろう。ゆき[ CV:小岩井ことり ]が殺された時なんて、むしろ俺の方がショックで固まってしまったくらいだ。
▼何処か冷たい都市の光景
これは作品としての映像効果を狙ったものかどうかは分からないけれど、3DCGで描かれた都市の光景が、どうにも人工的で冷たい印象を受けた。それはすなわち、この作品の世界観でもあると思うんだよね。
シビュラというシステムの支配下に置かれた都市には、人の血の通っている温かさというか、温度感がない。だからこの作品の世界は、平和なのかもしれないけど決して住んでみたいとは思えないんだよね。
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