ジャイアントキリング(最終話:第26話)
▼最終話
ガンナーズ戦が終わり、今シーズン最初の大きな勝利の余韻に浸れるかと思ったら、早くもリーグ戦、そしてカップ戦とめまぐるしい展開に。せっかくの最終話なんだし、原作を少し外れても良いから、ガンナーズ戦を振り返る時間があっても良かったかも。とは言え、リーグ戦もカップ戦も、今までのETUとは違ったチームとしての一体感、そして選手のモチベーションが上がっているという証明ではあった。なにより、赤崎[ CV:武藤正史 ]の五輪代表選出は、チームにとっても大きな自信に繋がる。
さて、Bパートでは少し試合を離れてカレーパーティ!この作品がJリーグをモチーフにしていることは明らかだけれど、それでもそこまで地域と一体となったイベントを開催するチームは流石にない。まぁ現実問題を考えると色々難しい面はあるから、必ずしもこの最終話で描かれたETUの姿がJのクラブチームの理想というわけではないと思う。それでも、この作品の中においては、達海[ CV:関智一 ]の体現したかったチームという物のあるべき姿。それが見えてきたような気がする。
もし仮に、ETUが再びシーズン中に勝ちきれないゲームを続けるようなことがあっても、今度はサポーター、そして地域の支えが選手達を奮い立たせてくれるんじゃないか。そんなクラブチームとしての理想の姿が浮かんでくる。
▼監督が主役のストーリー
サッカーを題材にしたアニメは数多くあれど、その中で監督をストーリーの中心に据えた作品はこれが初めてじゃないだろうか。クラブチームの監督がどのような心境で、どのような覚悟でピッチに立っているのか。それは達海の視点で描かれる場面はもちろんのこと、やはり対戦チームにおいても同じように監督の視点で試合の進行が描かれることが多かった。動きの大きいサッカーというスポーツにおいて、ともすれば動きのないイメージのあった監督という立場。それはこの作品を通して大きく変わったんじゃないだろうか?俺もサッカーは好きだし、Jリーグもスカパー!を契約して見ているくらいだけれど、監督に対して抱いているイメージは確実に変わった。
▼個性的なチームと選手
サッカー選手って現実にもかなり個性的な人が多いと思うけれど、ETUというチームにおいてもそれはしかり。黒田[ CV:伊藤健太郎 ]なんてその代表だと思うし、ジーノ[ CV:小野大輔 ]や夏木[ CV:楠大典 ]、村越[ CV:置鮎龍太郎 ]とキャラクターに事欠かない。それでも全員に共通していたのは、ETUという弱小クラブにあっても、サッカーが好きで試合に勝ちたい!というモチベーション。綺麗事過ぎるのかもしれないけれど、俺はこのETUというチームが腐ることなく戦い続けたことが、ガンナーズ戦の勝利に結果として繋がったと思う。選手がチームとしてまとまり、そのチームが達海という力を得て成長し、ビッククラブから勝ち星を奪う。ストーリーの流れがすなわちチームの流れ。全26話を通してETUと一緒に歩んできた気分だ。
▼納得の絵作り
引いたアングルには3DCGを積極活用というのは、最近のアニメの一つのトレンド。この作品について言えば、流石にロボット的な動きをするピッチ上の選手には少々違和感を感じざるを得ない。一方で、従来からの2DCGのシーンにおいては、試合全体を見渡している、という監督視点を頻繁に感じさせる上手い演出。選手中心のアニメであれば、その選手とボールの動きが常に絵の中心になる。それがジャイアントキリングにおいては、例えば穴になっている選手だったり、空いているスペースだったり、ボールと関係ないところでもポジショニングに気を遣っている選手だったり。試合の流れという点に置いては非常に重要な部分も、なるほど!と思わせてくれるような絵作り。精神論だけではない、試合に勝てた理由、負けた理由を納得させられる絵作りだった。
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