逆境無頼カイジ 破戒録篇(最終話:第26話)
▼最終話
分かってはいたつもりだったけど、改めて見せつけられると、もう見苦しいを通り越してあきれ果てるの一言。言わずもがな、カイジ[ CV:萩原聖人 ]のことだ。
沼に勝ったという事実、そして一条[ CV:浪川大輔 ]には、まるで自分が世の支配者にでもなったかのような上から目線の物言い。遠藤[ CV:内田直哉 ]には、そんな自分に酔いしれるカイジの甘さにつけ込まれ、死ぬ思いで勝ち取った金をあっさりと持って行かれる。
第1期の終わりも、結局カイジが得た物は何も残らず、そして今回もこの有様。手元に残っている金はそれほど多くないにもかかわらず、歌舞伎町の焼肉屋で豪遊するカイジ、そしてその取り巻きを見ていると、どうもこいつら、そうそう遠くないうちにまた借金地獄に陥るんじゃないかっていう予感がプンプン。
結局このカイジって男は、全てを台無しにする才能が、何よりも勝ってるって事だな。
▼最大の見せ場は地下チンチロ
前半は大槻[ CV:チョー ]とのチンチロ、そして後半は一条とのパチンコ。ストーリーは大きく2つのギャンブルで構成されていた今作。個人的には圧倒的に前半のチンチロが面白かった。何よりもあの大槻の憎たらしさ。ピンゾロしかでないサイコロで大槻を打ちのめした瞬間は、快感きわまりない。
後半のパチンコ勝負は、何よりも必要以上にストーリーを引っ張りすぎた。もちろん、福本作品の特徴でもあるわけだし、原作に忠実にアニメ化したんだろうけれど、チンチロに比べると盛り上がりに欠けた。
▼同情の余地無し
この作品は、カイジに感情移入したり、もしくはカイジの立場になってエピソードと楽しんだりすることは、相当に難易度が高いと思う。というよりも、カイジの境遇に共感出来るって人がいるならば、その人はもう少し自分の人生を見つめ直した方が良いと思う(笑)。まぁとにかく、このカイジのダメ男っぷり。だけど直接の関わりがない第三者という立場に立ってみると、途端にこの作品は面白くなる。どんなに落ち込んだときでも、「少なくとも俺でもカイジよりはマシだ」と思えることは間違いない。
▼作画安定
原作の絵柄をとにかく忠実にアニメ化。そしてマッドハウスの統制による、実質DR.MOVIE制作のアニメについては、もうそのクオリティを心配する必要は全く無い。日テレのこの枠のアニメにすっかり定着した協力タッグだけれど、下手すると日本の適当プロダクションよりよっぽどしっかり仕事するぞ。
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