異国迷路のクロワーゼ(最終話:第12話)
▼最終話
すき焼きの材料を買い出しに、ギャルリへ繰り出す湯音[ CV:東山奈央 ]とクロード[ CV:近藤隆 ]。そして二人を見送るオスカー[ CV:田中秀幸 ]。そしてタイトル。最終話があっという間に終わったかのような平和な日常。ということは、きっとこの後、一悶着あるんだろうなぁというイヤな予感。
案の定、何度も繰り返される湯音とクロードのすれ違い。湯音の気持ちも分からないでもないし、クロードにしてみれば自分の一番触れられたくない部分を無神経にえぐられたような気持ちだったと思う。今回はどっちもどっちかな~。最後はクロードが自分の言葉で、自分の口でちゃんと湯音に父親のことを話しているのを見て、クロードも大人になったと実感。
そして最終話にして、遂にネコと戯れる湯音の姿が!鮮やかな赤系の湯音の服の色と、黒ネコとのコントラストが実に映える。アイキャッチでもネコと別れを告げ、遂に本編では湯音とネコ絡みは無しかと思っていただけに、ネコに満面の笑みを浮かべる湯音に大満足。
ところで、湯音もクロードも聞いたあの鈴の音。あれは結局、何だったんだろう?
▼可愛いだけじゃない
湯音っていう女の子可愛さ、そしてパリの華やかさ。まず最初に、表向きの綺麗さに惹かれる。だけど、実際のストーリーは決して綺麗な物だけを並べた展示会とは一線を画している。クロードにも湯音にも、そしてカミーユ[ CV:矢作紗友里 ]にも。それぞれが複雑な過去を背負っていて、その過去の上に生きている。当時を知るわけではないけれど、19世紀のパリに生きる人たちのリアルな生活感と心。華やかさとその影の部分を、決してどちらかに媚びることなく丁寧な構成で描ききった作品。
▼素直で頑固
湯音の性格は、おそらく現在の日本人が「昔の日本人ってどういうイメージ?」という問いに対して、導き出す答えの典型なんじゃないだろうか。決してクロードという雇い主に文句を言ったり、不平不満を言うことはない。だけど、一度決めたことは頑なに譲らないし、自分の信念だけは決して曲げない。それが湯音の可愛い所でもあるし、「おいおい、そこはクロードに譲歩しておけば良いのに・・・」と思う事も多々。だけどそれが湯音であり、この作品から目が離せない理由なんだよね。ただ単に可愛くて愛でるだけの対象ではない。それが湯音の魅力。
▼美しいビジュアル
最後までこのクオリティで持たせられるか?という不安を、見事サテライトはクリアしてくれました。湯音の行動範囲があまり広くないこともあり、背景もかなり緻密に書き込まれているし、湯音の着物のテクスチャもかなり凝っていて、その鮮やかさには一瞬ハッとする。アリス[ CV:悠木碧 ]やカミーユの高貴な雰囲気とか、クロードの店の小汚い感じとか、作品の雰囲気を作り出すのに申し分無い作画だった。
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